定員割れにひと言

2014年03月17日 21:18

 今年度の入試の意外な目玉は、下館一の不人気だった。募集締め切りにより、6名の定員割れが発覚したが、下妻一が49名超過していたので、速やかに下館一に変更すると思えた。しかしながら、変更期間後、下館一の増加は1名にとどまり、下妻一の残りの17名はどこかに志望校を変えた。たぶん、岩瀬日大や土浦日大などの私立高校に変更したのではないかと考えられる。とすると、経済的な理由ではなく、進学を考えての選択である。何故に、下館一の選択はなされなかったのだろうか。ここに大きな疑問が残る。下館一には高校生活を楽しむというカラーがあった。下妻一にはない、明るさや部活動を通してのおおらかな高校生活がイメージとしてある。それは、塾の先輩たちの選択肢がそうであった。学問だけに偏らない、そんな若者のバイタリティを感じたものである。

 ところが、生徒からの情報では、そのカラーがなくなりつつあるという。昨年度の入試説明会で校長先生から、「やる気のない奴はいらない。」と言われたという。だから、志望していた生徒が引いたという話を聞いている。今の時代は、ソフトな感覚の若者の時代である。説明会はイメージづくりでもあるが、厳しい言葉が生徒の心の琴線に悪い意味で触れてしまったようである。倍率は一概に高ければいいというものでもないが、低いと全体の学力維持は難しい。底辺が下がり、合格点も下がるのは必然である。

 私は、下妻一へは第一義が学習、部活は第二義の生徒が行く高校だと20年間感じてきた。また、下館一は、文武両道の生徒が行く高校と認識していた。下妻一よりも、自由でのびやかな校風が特長であったはずだ。そんな生徒の選択の場がなくなるような改革は残念でならない。普通高校とは、受験一色の高校と、そうでない高校とあるべきで、さらに、同じ高校でも、受験クラスと、そうでないクラスとあって当然である。生徒本人の選択肢がないのはおかしい。AC(アドバンスクラス)があり、普通のクラスもあるのだから、部活やその他に打ち込みたい生徒の行く気を拒むような、誤解を招くカラーづくりはやめてほしいと願うものである。