高校生の学力を伸ばすには

2013年12月05日 14:37

 

 学習時間と定期テストの結果は比例します。しかしながら、模試や実力テストの結果は比例しません。なぜなら、出題範囲が広いのとレベルが高いためです。ですから、進学校の模試化した数学の定期テストでは、学習しても得点が伸びないと生徒は悩みます。ハードルが高いため飛べない高跳びと同じです。以前は、定期テストは、学習内容に沿って作成されていました。しかしながら、センター試験が開始され、大学の合格者数を増加させるには、生徒に高レベルの問題を解ける能力を指導したいがために、模試ばかりでなく、定期テストでも大学受験を意識した問題作りになったわけです。

 では、普段の授業と、定期テストの授業が合致しているかというと、必ずしもそうではありません。ここが、生徒の悩みの原因なのです。普段、学習していないで、十分演習しない問題は解けません。解けるようになるには、訓練が必要です。十分な訓練のないまま、テストを受けても高得点は得られません。大学受験模試についても、同様なことがいえます。満足できる結果を得るには、大学受験モードに入った夏休みから三か月はかかります。十月になり、やっと自分の学習のコツがつかめてくるのではないでしょうか。

 学習の成長曲線は、S字曲線です。ある時期まではほとんど変わりませんが、成長時期になると二次関数的に立ち上がり、急激に伸びます。その前でくじけてしまうと敗北感しかありません。苦手な科目ほど、この耐える時間は長くなります。本気で、大学受験を経験した人ならわかるはずです。とことんまで学習すると、ある日、視界が急に開けて、自分の学力がついたのが実感できます。その経験は、スポーツでも同じかもしれません。壁を乗り越えた時の感覚は、今までの苦しみがウソのようです。そこまで学習できたなら、君は何物をも恐るに足りません。

 それには、自分で期間を設けて学習してはいけません。あるいは、周囲からの「勉強しても無駄じゃない」の悪魔のささやきに耳を傾けないことです。結果は、いつ出てくるかわからないのです。私は、そんな生徒を仕事柄、何人も見てきました。ある時、別人のように変化する生徒をです。それには、努力と意思が必要です。そのために必須なものは、目標意識です。それがないと、くじけてしまうからです。「無駄じゃない」というきつい言葉や、「もっと上をねらえるよ」という甘い誘惑に負けずに、自分の意志を最後まで貫き通してください。君の努力は必ず報われます。